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【セミナーレポート】サステナビリティ動向セミナー<第1回 サーキュラーエコノミー>

気候変動、人権、効果的なガバナンス、経済の安定性に対する懸念がますます高まる中、新しい規制、法律、消費者の要求が相まって、サステナビリティはすべての組織にとって最重要課題となっています。
サステナビリティ動向セミナーでは、企業の取り組みをサポートするため、各分野の最新動向とSGSのサービスを定期的にご紹介しています。

第1回セミナーでは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を巡る最新の国内外動向や政策の背景を整理するとともに、関連する認証制度であるISCC認証およびGRS認証について、実務の視点から分かりやすく解説しました。 

セミナー開催日時

2025年5月30日

セミナー内容

  • 業界動向、サーキュラーエコノミーについて
  • ISCC認証とは
  • GRS認証とは

業界動向、サーキュラーエコノミーについて

サーキュラーエコノミーの基本概念

サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、廃棄物を前提とせず、資源を循環利用し続けることを目的とした経済システムです。
従来の大量生産・大量消費・大量廃棄を基本とするリニアエコノミーから、一部再利用を取り入れたリユースエコノミーを経て、現在はサーキュラーエコノミーへの移行が国際的に進められています。
サーキュラーエコノミーでは、資源の投入から製品設計、使用、回収、再生までを一連の循環として捉え、廃棄物を出さない仕組みづくりが求められています。

サーキュラーエコノミーの三原則

サーキュラーエコノミーの中核となる原則は三つあります。
一つ目は、廃棄物や汚染を生み出さない設計を行うことです。
二つ目は、製品や原材料を可能な限り長く循環させ、価値を維持し続けることです。
三つ目は、自然環境の再生に寄与することであり、単なる環境負荷の低減にとどまらない点が特徴です。
これらの原則を踏まえた製品やビジネスモデルへの転換が、企業に対して求められています。

サーキュラーエコノミーが求められる背景

サーキュラーエコノミーが注目される背景には、複数の要因があります。
第一に、世界的な資源需要の増加と資源枯渇リスクです。産業革命以降、資源消費量は増加を続けており、将来的にも需要が大きく拡大すると見込まれています。
第二に、資源やエネルギーの安全保障の観点があります。特に非資源国においては、国際情勢や調達リスクへの対応として、資源循環や内製化の重要性が高まっています。
第三に、気候変動や生物多様性への対応があります。大量消費・大量廃棄は温室効果ガス排出の増加や環境破壊につながるため、循環型経済への移行が有効な対策の一つとして位置付けられています。
さらに、サーキュラーエコノミーは新たな市場やビジネス機会を生み出し、持続的な競争力の強化につながる点でも注目されています。

国内外における政策動向

欧州では、サーキュラーエコノミー・アクションプランに基づき、資源消費の削減や循環型材料の利用拡大を目指す政策が進められています。
製品の設計段階から再利用やリサイクルを考慮するエコデザイン規制や、製品ライフサイクル情報を明確化するデジタルプロダクトパスポートの導入など、規制は製造から廃棄までの全段階に及んでいます。
日本においても、循環型社会形成推進法に基づき、使い捨て型社会から価値を循環させる社会への転換が進められています。
特に第5次循環型社会形成基本計画では、プラスチック再生利用率の倍増や電池スクラップの処理量目標など、具体的かつ挑戦的な数値目標が設定されています。

ISCC認証とは

ISCC認証の位置付けと概要

サーキュラーエコノミーへの移行が進む中で、企業の取り組みを客観的に示す手段として重要な役割を果たしているのが、関連する認証制度です。
その代表的なものの一つがISCC認証です。
ISCCとは、International Sustainability and Carbon Certificationの略称であり、循環型経済やバイオマス社会への移行を支援する国際的な持続可能性およびカーボン認証制度です。
ISCC認証は、用途や対象市場に応じた複数のスキームによって構成されています。
主なスキームは三つあります。

  • ISCC EU: EU加盟国を対象とした再生可能エネルギー指令 (RED) に定められたバイオ燃料の持続可能性を認める認証スキーム
  • ISCC PLUS:化学、食品、飼料、EU外向けバイオ燃料など多様な製品に含まれる炭素の持続可能に対するボランタリーな認証スキーム 
  • ISCC CORSIA:国際民間航空機関 (ICAO) によって、CORSIA に適格と認められた持続可能な航空燃料(SAF)向けの認証スキーム
     

トレーサビリティの重要性

ISCC PLUS認証は、廃プラスチックや繊維リサイクルなどを対象とし、資源循環を国際的に通用する形で証明する仕組みです。
その最大の特徴は、サプライチェーン全体のトレーサビリティを重視している点にあります。
原材料の発生源から回収、加工、製造、流通、最終製品に至るまで、段階的に情報を接続することで、資源の流れを明確に管理します。
この仕組みはChain of Custody (CoC)と呼ばれ、各段階の事業者がサステナビリティ特性を引き継ぎながら、次の工程へ情報を伝達していきます。
これにより、資源循環の信頼性が担保され、サーキュラーエコノミーの実効性が高められます。
 

GRS認証とは

GRS認証の概要と背景

GRS認証とは、Global Recycled Standardの略称であり、リサイクル原材料の使用を国際的に証明するための認証制度です。
この認証は、Textile Exchangeという非営利団体によって運営されています。
主に繊維製品分野で知られていますが、近年ではさまざまな製品や業界で活用されています。
製品中のリサイクル含有量を確認することを主な目的としつつ、環境面や社会面の要求事項も含めた制度となっています。

GRS認証の種類とリサイクル原材料の含有率

GRS認証では、製品に含まれるリサイクル原材料の含有率を第三者機関が認証します。
基本要件として、製品全体の20%以上がリサイクル原材料で構成されていることが求められます。
また、GRS認証ラベルを製品に表示する場合には、50%以上のリサイクル原材料を使用している必要があります。
これにより、リサイクル原材料の使用実態を数値として明確に示すことが可能となります。

環境・社会面の要求事項

GRS認証は、リサイクル原材料の含有率の確認にとどまらず、化学物質管理や労働環境といった側面についても一定の要求事項を設けています。
製造現場における管理体制全体が確認対象となるため、原材料だけでなく、事業運営のあり方も含めた対応が求められます。

RCS認証の概要と段階的取得

GRS認証とあわせて言及されることが多いのがRCS認証です。
GRS認証に比べて要件が簡易であり、リサイクル原材料の含有率は最低5%以上とされています。
社会的責任や環境、化学物質管理の要件は含まれていないため、段階的な取り組みとしてRCS認証からGRS認証へ移行することが可能とされています。

トレーサビリティの重要性

GRS認証の重要な特徴の一つが、サプライチェーン全体でのトレーサビリティ確保です。
素材や製品がどこで生産され、どのような経路で流通したのかを記録・管理することが求められています。
GRS認証では、企業や製造工程が基準を満たしていることを示すスコープ証明書と、取引ごとに発行されるトランザクション証明書の二種類が用いられます。
これにより、認証素材が認証されたサプライチェーンを通じて流通していることが証明されます。
 

GRS認証の意義

GRS認証は、グリーンウォッシュ対策としても重要な役割を果たします。
第三者認証による客観的な裏付けにより、リサイクル素材の信頼性が高まります。
また、認証ラベルを通じて消費者に情報を伝えることができ、製品選択の判断材料として活用されます。
GRS認証は、サーキュラーエコノミーに取り組む企業姿勢を可視化する重要な仕組みです。

まとめ

本セミナーでは、サーキュラーエコノミーが単なる環境対策ではなく、規制対応、競争力強化、新たな市場機会の創出につながる重要な経営テーマであることが示されました。
その中で、ISCC認証およびGRS認証は、リサイクル素材の利用やサプライチェーン全体のトレーサビリティを客観的に証明し、信頼性の高い情報開示を支える有効な手段といえるでしょう。

SGSのサービス

SGSでは、ISCC認証、GRS/RCS認証をはじめ、サーキュラーエコノミーに関連する研修サービスやアドバイザリーサービスなども実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
SGSのサステナビリティサービスの詳細は、サステナビリティサービスページをご覧ください。

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※本資料は、セミナー当日時点の情報に基づいて作成しております。
 制度や要件等の最新情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
 

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