無線技術コラム Vol.2 433MHz帯TPMS/RKEの技術的条件見直しと車載無線設備の自己確認制度拡大
2026年08月26日
本コラムでは、法改正の動向や規格改正の内容について、技術的な観点から整理し、認証機関として実務に役立つ情報を分かりやすくお伝えします。
今回は、433MHz帯タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)及びキーレスエントリシステム(RKE)の使用帯域拡張等に係る制度整備について、技術的条件の見直しと、車載無線設備を技術基準適合自己確認制度の対象へ追加する動きを中心に整理します。
改正及び検討の背景
タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)はタイヤ空気圧等の状態を車両側へ伝送するシステム、キーレスエントリシステム (RKE)はドアロックの開閉やエンジンスタート等の車両操作に用いられる無線システムです。
TPMS及びRKEは、我が国では免許を要しない無線局(特定小電力無線局)として、平成19年に315MHz帯、令和7年に433MHz帯が導入されています。一方で、433MHz帯はTPMS/RKEにおける世界標準的な周波数帯として利用されており、国際的な周波数協調の観点から、使用帯域の拡張等の検討が進められ、2026年7月24日付で技術的条件の改正が施行されました。
また、コネクテッドカーの普及、自動運転技術、キーレスエントリー、車内LAN等の導入拡大により、自動車に搭載される無線設備は多様化しています。サプライチェーンや生産拠点の変更へ迅速に対応するため、製造業者や輸入業者が自ら技術基準への適合を確認する「技術基準適合自己確認制度」の対象拡大も併せて検討されています。
2026年7月24日の改正内容
2026年7月24日に、総務省令第91号「電波法施行規則等の一部を改正する省令」が公布され、同日から施行されました。
本改正による、TPMS及びRKEの技術基準の主要な変更点は以下の通りです。
- 使用周波数:433.92MHz ⇒ 433.05~434.79MHz (指定周波数帯)
- 占有周波数帯幅の許容値:250kHz ⇒ 1740kHz
- 違法改造対策:⼀の筐体に収められており、かつ、空中線系を除く⾼周波部及び変調部は、 容易に開けることができない構造であること ⇒ 規定しない
従来の433.795~434.045MHzから、433.05~434.79MHzへ使用帯域が拡張されています。これにより、国際的な433MHz帯TPMS/RKEの利用実態との整合がより取りやすくなります。
詳細は、2026年7月24日付官報号外第164号に掲載された総務省令第91号をご確認ください。
また、既に交付された上記内容の他に、技術基準適合自己確認制度の対象拡大の改正が検討されています。
技術基準適合自己確認制度の対象拡大
技術基準適合自己確認とは、特定無線設備のうち、混信その他の妨害を与えるおそれが少ないもの(特別特定無線設備)について、製造業者又は輸入業者が工事設計の技術基準適合性を自ら確認し、総務大臣へ届出を行う制度です。
出所:総務省報道資料「電波法施行規則等の一部を改正する省令案等に対する意見募集の結果及び電波監理審議会からの答申、別紙1」より
特別特定無線設備(技術基準適合自己確認制度の対象となる機器)に追加される車載無線設備
現在、特別特定無線設備への追加が検討されている車載無線設備は以下の通りです。
| システム | 対象となる無線設備 |
|---|---|
| スマートキー |
・315/433MHz帯リモートキーレスエントリシステム ・ 超広帯域無線(マイクロ波帯UWB) |
| 空気圧センサー | ・ 433MHz帯タイヤ空気圧モニタリングシステム |
| ミリ波レーダー |
・26GHz帯UWB ・ 76/79GHz帯ミリ波レーダー |
| ⾞内センサー | ・ 60GHz帯移動体検知センサー |
| 無線LANルーター |
・⼩電⼒データ伝送(2.4GHz帯/5.6GHz帯、6GHz帯(25mW以下)) ・5.2GHz帯⾞内⽤⼩電⼒データ伝送 |
まとめ
- 433MHz帯TPMS/RKEについて、国際的な周波数利用との整合を図るため、使用帯域を433.05~434.79MHzへ拡張する案が示され、2026年7月24日に施行されました。
- 車載無線設備の多様化に対応するため、TPMS/RKEを含む複数の車載無線設備が、特別特定無線設備として自己確認制度の対象に追加される方向です。
【注記】
本コラムで取り上げた内容は、改正内容や検討内容の概要を示すものであり、実際の認証申請、自己確認届出、製品設計又は試験計画にあたっては、公布後の省令、告示、総務省資料、ならびに最新の技術基準を確認することが重要です。
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433MHz帯TPMS/RKEをはじめ、車載無線設備、UWB、ミリ波レーダー、小電力データ伝送設備などについて、電波法、FCC、CE等に対応した各種試験・認証サポートを提供しています。車載機器の国内認証、海外展開、自己確認制度への対応をご検討の際は、ぜひご相談ください。
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