低電圧指令/機械指令/EMC指令/防爆指令/体外診断用医療機器規則/医療機器規則に関するCEマーキング関連対応
CEマーキングとは?
CEマーキングとは、EU域内(英国除く)にて販売・上市される特定の製品が、EUで義務付けられた基準(指令、規格)に適合していることを表示するマークです。
但し、販売・上市に関わらず、EU域内へ輸出する際にはCEマーキングが必要になる装置があります。
CEマーキング対象国
EU(27カ国):ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、ドイツ、フランス、イタリア、アイルランド、デンマーク、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、オーストリア、フィンランド、スウェーデン、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、スロバキア、エストニア、ラトビア、リトアニア、キプロス、マルタ、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア、イギリス(北アイルランドのみ)
EU加盟候補国:トルコ、マケドニア、アイスランド、セルビア
※ イギリスはBrexit以降独自のUKCAマーキングを制定しておりますが、北アイルランド市場の製品にはCEマーキングまたは新たに導入されるUKNIマーキングが必要になります。
※トルコはEU未加盟国ですが、独自にCEマーキング表示を要求しております。
EFTA(4カ国):アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン
1985年のニューアプローチ指令により、製品の自由流通化を目指し、EU(英国除く)共通のルールが制定され開始されました。
目的は、EU(英国除く)域内で流通する製品において、その使用者の健康及び安全を保護することです。製品に触れる可能性のあるすべての人の健康と安全を保護することを目指しており、製品を製造する側の設計者や開発者も視野に入れた制度となっています。
CEマーキングの表示について
CEマーキングは法律であり、強制力を有します。
CEマーキングの不添付、不正利用等の違反者には各国法規に基づき、製品回収命令、販売停止、罰金、拘禁処置などの刑事罰が科される可能性があります。
CEマーキングの表示は、すべての該当する規則・指令に適合することを意味します。必要な指令への対応がひとつでも欠けていれば、CEマーキング表示は認められません。また、合わせて各指令の整合規格(Harmonized Standard)への適合確認も必要です。
CEマーキングの特徴
CEマーキングの特徴として、適合性評価方法として「自己宣言」と「認証」に分けられており、製品の仕様等によりどちらの方法を採る必要があるかは、指令中に定められています。
適合性評価はモジュールという方法で定められており、モジュールAが自己宣言、それ以外のモジュールが認証を必要とします。
自己宣言の場合は製造者自社が各指令・整合規格への適合を証明する技術文書(テクニカルドキュメント)類を集め、用意することが要求されます。
認証の場合は認証機関(NB)により、適合確認試験の実施と、技術文書のレビュー等を経て、適合証明書を取得する必要があります。
「自己宣言」と呼び名からモジュールA対象品に関して、CEマーキングの表示や適合確認が任意であるかのように誤解されているケースがありますが、あくまで第三者機関による認証を必要としないという意味に過ぎず、前述の通り違反者には刑事罰が科されます。
また、技術文書は何でも良いという事ではなく、各規制・指令・整合規格に定められた要件に則ったものである必要があります。
※モジュールA対象品でもNBによる審査を受けて適合証明書を発行することは可能です。
製造者のCEマーキング表示までのステップ
STEP 1 |
指令・整合規格の確認 |
▼ |
該当する指令と用いる整合規格を確認する。 |
STEP 2 | 仕様・要求の確認 |
▼ |
製品に関する仕様要求を確認する。 |
STEP 3 | 審査必要性の確認 |
▼ |
ノーティファイドボディ(NB、認証機関)の審査が必要かどうか確認する。 |
STEP 4 | 試験の実施 |
▼ |
規格に基づき各種試験を行い、必要に応じてNB発行の適合証明書を取得する。 |
STEP 5 | 技術文書の作成 |
▼ |
技術文書を作成し、保持する。 |
STEP 6 | 適合宣言書の作成 |
▼ |
適合宣言書(DoC)を作成・保持する。 |
STEP 7 | CEマーキングの表示 |
製品にCEマーキングを表示する。 |
SGSの対応可能指令、及びその整合規格
・低電圧指令(2014/35/EU)
・機械指令(2006/42/EC)
・EMC指令(2014/30/EU)
・体外診断用医療機器規則(Regulation 2017/746)
・医療機器規則(Regulation 2017/745)
SGSジャパン製品安全部のCEマーキングサポートの業務内容
- 低電圧指令/機械指令/EMC指令/防爆指令/体外診断用医療機器規則/医療機器規則・整合規格等に基づくトータルサポート
- ラボ試験、オンサイト(出張)試験の実施
- 各種ドキュメントのチェック、不適合事項への対策チェック、EMC対策支援
- NB(ノーティファイドボディ)の認証書・証明書発行
- 各種セミナー、ワークショップ(お客様のご要望へのカスタマイズも可)
※SGSでは上記以外への指令・規則に関してもサポートを行っております、是非お問い合わせください。
以下、各指令の解説と、SGSのサービスを紹介いたします。
<低電圧指令>
低電圧指令:Low Voltage Directive(LVD)は特定分野の例外を除き、指令で規定された電圧範囲AC50~1000V(DC75~1500V)で使用される電気機器に対する安全要求です。
対象装置類
・計測機器 ・制御機器 ・情報処理機器 ・事務用機器 ・家電製品 ・音響機器
電気に起因する感電・火災・エネルギーの危険に対して安全要求に関する各種規制が設けられています。
低電圧指令への要求事項の詳細は、EU政府が発行するOfficial Journal(官報)で公示される整合規格(Harmonized Standards)に記載されています。
代表的な整合規格
- EN 61010-1(計測・制御機器)
- EN 62368-1(AV機器、情報処理・事務用機器)
- EN 60335-1(家電製品)
- EN 61800-5-1(モーター制御器)
- EN 61558-1(トランスフォーマ)
主な要求事項として、構成部品の選択、絶縁距離の設定、アースの取り方、ハウジングの剛性、難燃性材料の選択、銘板表示、温度上昇、漏れ電流等、感電・火災の危険に関連した規定内容となり、これらの危険性に対する安全の確保が要求されることとなります。
SGSジャパンでは、お客様の製品が安全要求を満たすためのサポートをいたします。
設計段階での図面チェック、実機での構造チェック、安全試験、書類の整備、規格・指令の解説等、製品安全に関わる適合支援を行ないます。
<機械指令>
機械指令はMachinery Directive(MD)と呼ばれ、欧州域内で流通する産業機械の安全水準を一定以上にし、労働災害を低減するために1995年に強制適用とされた欧州連合としての法的基盤上の制度です。 現行の機械指令2006/42/ECは2006年に制定され、2009年12月29日より強制発効されました。
機械指令の対象は、外来エネルギーにより搬送・加工処理が行われ、危険可動部を有する産業機械となります。
主な機械指令対象装置
(装置の構造・仕様によりますのでご注意ください)
- 金属加工機・組立機・食品機械・搬送設備・半導体製造設備・印刷機
- 包装機・産業用ロボット
また、機械指令と低電圧指令は排他的な関係にあり、どちらが一方のみが適用され、両方適用することはないのでご注意ください。
上記の作業において機械設計者が一番に対応しないといけない作業は、欧州規格の技術基準を理解し、その内容を機械の設計に展開することです。 機械指令の要求事項に対する適合判定には機械指令用の整合規格(Harmonized Standard)を用います。
整合規格は欧州官報(Official Journal)に対象となる欧州規格(EN Standards)が公開されており、タイプA、B、Cの大きく三つに分類されています。
規格群 |
対象範囲 |
代表的な規格 |
TYPE A (基本規格) |
機械全般について機械安全の概念を示した規格群。 全ての機械に適用。 |
ISO12100(設計原則・リスクアセスメント) |
TYPE B (共通規格) |
機械構成上の部分的側面を規定した規格群。 機械の該当側面に適用 |
EN60204-1(機械の電気安全一般要求) EN ISO13849(安全制御システムの設計原則) |
TYPE C (個別規格) |
個々の機械を規定した規格群。 該当規格があれば優先して適用 |
EN201(射出成形機)EN ISO10218-1(産業用ロボット)、 EN12417(マシニングセンタ)、 EN62841(電動手持ち工具) |
製造者が機械指令に適合するための主な作業は次になります。
- 欧州規格の技術基準・整合規格に適合した機械の設計
- 安全試験の実施による性能確認
- リスクアセスメント
SGSジャパンでは機械の設計段階からの図面チェック、実機での構造チェック、安全試験の実施、リスクアセスメントやドキュメント類の作成支援、規格・指令の解説等のサービスを提供することで長年培ったノウハウを様々な角度からご提供することで、お客様の製品の迅速な規格適合と上市をサポートいたします。
<EMC指令>
EMCとは、Electro-Magnetic Compatibility (電磁両立性)の略です。
EMC試験は下記の2つの現象の評価をすることです。
- EMI (Electro-Magnetic Interference)
⇒電子機器から放射される電磁妨害波が他の機器に妨害(Interference)を与える現象のことです。この”放射”という言葉からエミッション試験と呼ばれることがあります。
- EMS (Electro-Magnetic Susceptibility)
⇒他の電子機器からの電磁妨害波に対する電子機器の感受性(Susceptibility)のことです。電磁妨害波への耐性(Immunity)という言葉からイミュニティ試験と呼ばれることがあります。
欧州EMC指令では電磁妨害波によって危険や装置の機能・動作等に障害を引き起こす可能性のあるすべての電子・電気機器に対して適用されます。
欧州で販売される電子・電気機器の大半はこの指令の要求事項に適合していることを保証し、CEマークを製品に添付する必要があります。
※RED指令の対象となっている無線を使用する電子・電気機器についてはEMC指令の対象外となりますが、RED指令により同等の電磁両立性の安全性が求められます。
SGSジャパンでは欧州EMC指令の整合規格をはじめとして、様々なEMC規格に対応したサービスが可能です。
ラボ試験、出張(オンサイト)試験などお客様のご要望に応じて様々なサービスを提供いたします。
★主なEMC規格
EN(IEC)/ CISPR |
一般、産業(ISM)機器 |
EN 61000-6-1/-2/-3/-4, EN 55011 |
EN 61326シリーズ |
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EN 60945, E10, IEC 60533 |
||
EN 50121、IEC 62236シリーズ |
||
情報機器 |
EN 55032 EN 55035 |
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医療(医用電気機器)機器 |
EN 60601-1-2 |
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車載受信機 |
CISPR 25 |
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無線機器 |
EN 301489シリーズ |
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家庭用機器・電動工具 |
CISPR14-1/-2 |
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照明機器 |
CISPR15 |
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FCC |
情報機器(IT) |
FCC Part 15B |
ISM機器 |
FCC Part 18 |
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VCCI |
情報機器 |
VCCI |
<医療機器規則 Regulation (EU) 2017/745 >*MDR
<体外診断用医療機器規則 Regulation (EU) 2017/746 >*IVDR
Medical Device Regulation (MDR)、In Vitro Diagnostic Regulation (IVDR)とも呼ばれるこの両規則は、2017年に従来の 医療機器指令 93/42/EEC、よりも要求事項が厳格化し発行されました。EU域内での医療機器の販売において、適合が求められます。
クラスI(滅菌/計測/再使用可能)、IIa、IIb、IIIの医療機器の製造者は、当該機器をEU市場に流通させる前に、Notified Bodyから各規則に基づくCEマーキング認証を取得する必要があります。
SGSはNotified Bodyとして登録されており、幅広い医療機器に対する認証審査サービスもご提供可能です。審査終了後、各規則に適合した医療機器として認証されます。
サービスご利用のメリット
- 低電圧/機械/EMC:SGSは様々な指令・整合規格に対応しており、CEマーキング表示のためのトータルサポートが可能です。CEマーキング表示の経験がない、きちんと対応できているか不安などのお客様のお困りごとにお応えします。
- 防爆:ATEX(防爆指令)のみならず、IECEX(国際防爆)、UKEX(UKCAマーキング向け防爆指令)など世界各国の防爆指令に対応。
SGSを選ぶメリット
- 世界No.1のSGSのグローバルネットワークを活かし、お客様のご要望に対応した様々な試験、審査、認証サービスを提供いたします。
- 防爆:国際防爆認証機関であるSGS Baseefaによる豊富な実績とベテランエンジニアによるサービスの提供
サービスご利用の流れ
STEP 1 | サービスお問合せ |
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まずはお問い合わせフォームからご連絡ください。ノウハウを持つセールスより連絡いたします。 |
STEP 2 | お打ち合わせ |
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お打合せの中で、ご依頼内容と貴社の状況やご要望をヒアリングし、詳細条件を確認いたします。 |
STEP 3 | 見積書の発行 |
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SGSでの対応工数を検討し、営業から見積書の提示&納期を連絡いたします。 |
STEP 4 | 業務のご依頼 |
貴社所定の書式、または弊社書式にてご発注をお願いいたします。 |
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