EN10204 3.2 材料認証
ENは、Euro Norm(欧州規格)でEU(欧州連合)の各国に共通した規格です。
金属関係の素材に関し、客先(需要家など)からEN10204 3.2の要求事項がある場合には、第三者検査会社(検査員)により立会検査・書類精査を行い、製造者作成のミルシート、もしくは第三者検査会社作成の検査証明書に、製造者の品質管理責任者の署名および第三者検査員の署名が必要となります。
圧力容器指令(97/23/EC)で要求されるEN10204 3.2については別途ご相談ください。
欧州への輸出品に関してはこの規格に適合していることが求められますが、この中で金属製品の検査証明に関してはEN10204:2004 に準拠した検査証明書が要求される場合があります。
以前のドイツ規格にあったDIN50049がそのままEN10204に移行されたもので、この規格に準拠して顧客に提出する必要があるものとしては、鉄鋼メーカー(ミルメーカー)の鋼材検査証明書(以下、ミルシート)があげられます。
サービスご利用の流れ
TYPE 2.1 Declaration of compliance with the order
同じ製造工程及び同じ製造仕様によって製造された製品が、注文内容の要求に合致しているかを評価するために、製造者の検査手順に従い、製造者が検査を行います。(自社検査)
実際に供給される製品を検査する必要はありません。検査記録の提出は不要で宣言書のみです。
TYPE 2.2 Test report
当該製品が注文内容の要求に合致しているかを評価するために、供給される製品単位または検査単位にて、製品の仕様に従い製造者の検査手順に従い、製造者が出荷前に検査を行います。検査記録が必要です。
TYPE 3.1 Inspection certificate 3.1
それぞれの製品が注文内容の要求及び製品仕様で特定された特性に従っていることを製造者の製造部門から独立した検査員(品質管理部門など)が証明します。第三者検査員の立会いは不要です。
TYPE 3.2 Inspection certificate 3.2
TYPE 3.1の検査時に第三者検査員の立会い受け、供給される製品が注文内容の要件に従っていると宣言し、製造者の製造部門から独立した検査員および第三者立会検査員両者がミルシートに署名します。もしくは、第三者検査会社が検査証明書(Inspection Certificate)を発行し、製造者の品質管理部署担当者も署名を行います。そのミルシート・検査証明書にはTYPE 3.1と同様に特定された特性の記載が必要です。
(例)パイプの場合、必要な検査項目は、
Hydrostatic Test(水圧試験)・NDI(非破壊検査)Dimensional Inspection(寸法検査)・Visual Inspection(目視検査)・Mechanical Test(機械試験)・Document Review(ミルシートレビュー)
ただし、客先承認のITPの内容により異なる部分ではありますが、ITP上でWとなっている「重要度が高い」と思われる検査項目は検査員が立会を行います。
- Chemical composition
- Mechanical strength
- Impact strength
- Tensile strength
- Hardeness test
- Bend test
- NDE
- Visual and Dimensions
- Hydro test
- NDT test
- Magnetic test
- Pipe end
- Corrosion HIC status
- Heat no
バルブ・フィッティングなどのPiping Materialの場合は、
- 試験片サンプリング立会(Witness sampling of test coupon)
- 機械試験
が必要項目となります。
上記のとおり、厳格なプロセスが必要とされるため、製造が完了した製品のミルシートレビューのみでEN10204 3.2のミルシート署名または、検査証明書発行についての対応は行っていません。
お問い合わせ
SGSジャパン株式会社
産業サービス部
TEL:050-1780-7887