ISO14001改訂情報
2026年第1四半期頃に予定されているISO14001の改訂は、現在ISO内の技術委員会(TC207)を通じて進められており、現在は国際規格案(DIS)の段階となっています。
改訂版は、気候変動対応、生物多様性、持続可能な資源利用など、世界的に高まる優先課題を反映しています。
既存の要求事項を明確化し、強化することを目的としており、附属書SLに基づく構造を維持しつつ、新たな用語、要求事項の明確化、そして環境パフォーマンスの強化が導入されています。
ISO14001の改訂スケジュール
フェーズ | マイルストーン |
現行規格 | ISO14001:2015 |
国際規格案(DIS) | 2025年6月発行済み |
最終国際規格案(FDIS) | 2025年10月に発行される見込み |
新版の国際規格の発行 | 2026年1月に発行される見込み |
新版への移行期限 | 2年または3年間と予想されるが、未定 |
*各フェーズの時期については、変動する可能性があります。
ISO14001:2026の改訂概要
2026年改訂版には、中程度ながら影響力のある変更が含まれています。
まったく新しい要件は導入されていませんが、多くの要求事項が明確化され、トレーサビリティ、説明責任の強化のために変更されています。
4. 組織の状況
- 環境状態(例:気候変動、汚染、生物多様性)を明示的に考慮する必要がある。
- 環境マネジメントシステムの範囲は、ライフサイクルの視点を考慮しなければならない。
- 環境マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利害関係者が入手可能でなければならない。
5. リーダーシップ
- 環境方針で、順守義務を「満たす」ことへのコミットメントについて、”fulfil compliance obligation”が”meet compliance obligation”に置き換えられた。
- 天然資源の保護や生態系の保護についての考慮が強化された。
6. 計画
- 6.3項(新設):環境マネジメントシステム関連の変更管理に対する体系的なアプローチが要求された。
- 緊急事態が、非通常の状況の運用から分離された。
- 計画は、以下のとおり分割された。
6.1.4:リスクと機会
6.1.5:取組みの計画策定
7. 支援
- 関連記録は、「文書化した情報を利用可能な状態にしなければならない」と統一された。
- 力量で、順守義務を「満たす」ことへのコミットメントについて、”fulfil compliance obligation”が”meet compliance obligation”に置き換えられた。
8. 運用
- 「外部委託したプロセス」は、「外部から提供されるプロセス、製品またはサービス」に変更となった。
- 運用管理はサプライヤーや外部委託先にまで拡大されなければならない。
- 緊急事態への対応計画はリスク計画と整合させなければならない(6.1.2項)。
9. パフォーマンス評価
- 環境パフォーマンスと環境マネジメントシステムの有効性を評価することについて、明示的に要求されている。
- 内部監査では、範囲と基準に加え、目的を明確にしなければならない。
- マネジメントレビューは、プロセス、インプット、結果の3つのサブ項目に再構成された。
10. 改善
- 10.1項は削除され、その内容は10.2項および10.3項に統合された。
- 不適合と是正処置に対するより体系的なアプローチが求められている。
- 9項の所見と継続的改善の関連性が明確化された。
*本ページに掲載されている情報は、ISO 14001:2026 国際規格案(DIS)および予想される移行要件に関する一般的なガイダンスを提供することを目的としています。
最終的な要件は、最終国際規格案(FDIS)の公表またはISO 14001:2026の正式発行後に変更される可能性があります。
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