ISO9001改訂情報
2026年第3四半期頃に予定されているISO9001の改訂は、現在ISO内の技術委員会(TC176)を通じて進められており、現在は国際規格案(DIS)の段階となっています。
2023年7月の技術委員会での投票結果を踏まえ、2015年版を基盤(規格の根幹となるところについては変更しない)とすることとなっています。
また、2012年2月に発行され、その後改訂された統合版ISO補足説明指針の付属書SLの変更点に合わせた修正、品質文化や倫理的行動といった現在のビジネス上の考慮事項を取り入れることが見込まれています。
今後は、最終国際規格案(FDIS)を経て、国際規格として発行される前に、さらなる改訂が行われる可能性があります。
ISO9001の改訂スケジュール
| フェーズ | マイルストーン |
| 現行規格 | ISO9001:2015 |
| 国際規格案(DIS) | 2025年8月発行済み |
| 最終国際規格案(FDIS) | 2026年半ばに発行される見込み |
| 新版の国際規格の発行 | 2026年第3四半期~第4四半期に発行される見込み |
| 新版への移行期限 | 3年間と予想されるが、未定 |
*各フェーズの時期については、変動する可能性があります。
ISO9001:2026の改訂概要
暫定的な要約によれば、新たな要求事項は限定的と見込まれていますが、読みやすさや実装性を向上させるため、いくつかの領域が明確化または再編成される可能性があります。
3. 用語及び定義
- 特定の品質マネジメントシステム(QMS)関連用語は規格に直接含めることが可能であり、ISO9000への依存度を低減する。
4. 組織の状況
- 軽微な改訂が予想される。
- 気候変動への配慮は、2024年2月の追補改訂から引き続き含まれている。
5. リーダーシップ
- 品質文化、継続的改善、倫理的行動の促進が新たに追加される。
- 2015年版でも5.2.1 a)に「組織の目的及び状況に対して適切であり、組織の戦略的な方向性を支援する」と記載されているが、「組織の目的に適切である」と「組織の状況に対して適切であり、組織の戦略的な方向性を支援する」に分割された。
品質方針について、より組織の状況を考慮に入れ、戦略的な方向性を反映させることが期待される。
6. 計画
- リスク及び機会は、個別の小項目に再構成される可能性がある。
- ガイダンスノート(付属書A)において追加的な明確化が期待される。
7. 支援
- 条文の再構成が行われる可能性があるが、実質的な要件の変更はほとんどない。
- 「7.3認識」に、新たに品質文化と倫理的行動が含まれる可能性がある。
8. 運用
- 最小限の変更が予想されるが、用語や条項のレイアウトは変更される可能性がある。
9. パフォーマンス評価
- 2015年版とほぼ同じ。
- 品質マネジメントシステムの状況とパフォーマンスデータのモニタリングは、依然として重要である。
10. 改善
- 現行版の「10.1 一般」と「10.3 継続的改善」が統合され、「10.1 継続的改善」として記載された。
継続的改善に関する追加ガイダンスを組み込み、特に「5章 リーダーシップ」への期待と関連付けられている。
*本ページに掲載されている情報は、ISO 9001:2026 国際規格草案(DIS)および予想される移行要件に関する一般的なガイダンスを提供することを目的としています。
最終要件は、国際規格最終草案(FDIS)の公表またはISO 9001:2026の正式リリース後に変更される可能性があります。
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